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REPORT
2024.09.25

Beyondカンファレンスの現場では何が起きていた?7つの注目セッションをご紹介!

2024年5月31日(金)と6月1日(土)の2日間、羽田イノベーションシティにて開催された『第3回 Beyondカンファレンス2024』。

2日間で30以上のセッションが行われ、727名が参加した今回は、これまでのBeyondカンファレンスを大きく上回る規模で実施されました。

当日の様子はこちらの記事で報告したものの、大規模なイベントであったため各セッションの具体的な内容は省略しています。

そこで今回はWEBメディアDRIVEに取材いただいた素敵な記事の数々をご紹介。現場ではどのような対話が行われていたのか、7つのセッションをピックアップして詳細に内容をレポートします。

「Beyondカンファレンスに行きたかったけれど参加できなかった」
「当日セッションに参加していたけれど裏のセッションも気になる」

という方は、ぜひご覧ください。

▼目次
1. 2日間のタイムテーブル
2. 7つのセッションを詳しくレポート!
1)【ワークショップ】大人も子どもも役に立つ!多様性を知るための「考え方の考え方」公開授業
2)【ワークショップ】子どもと大人がごちゃ混ぜで教育をよりよくする新しいサービスを作ろう!
3)【企業の取り組み事例】「赤字事業はやらない」は正しいのか?企業が社会課題解決に関わる新しい方法を考える
4)【企業の取り組み事例】次の100年のためにどうイノベーションを進められるか~100年企業が挑む、新たな一歩への挑戦公開作戦会議
5)【企業の取り組み事例】地域の関係人口を増やすには?時間や場所にとらわれない「フレキシブルワーク」が持つ可能性
6)【社会課題を考える】生物多様性をめぐる現在地と展望
7)【社会課題を考える】能登から日本社会の在り方を問う/能登の復旧・復興をともに考える
3. おわりに

 

1. 2日間のタイムテーブル

 
まずBeyondカンファレンスの全体像を振り返ります。当日は以下のタイムテーブルで30を越えるセッションが行われました。

タイムテーブルの詳細は公式サイトをご参照ください。

 

2. 7つのセッションを詳しくレポート!

 

1) 【ワークショップ】大人も子どもも役に立つ!多様性を知るための「考え方の考え方」公開授業

年齢も経験もバラバラな個人が集まってアイディアを「共創」するには、どのような「考え方」が必要だと思いますか?

その答えを体感できたのが、このワークショップです。小金井市教育委員会教育長・大熊雅士さんと、株式会社電通「チームコマ犬」クリエータ―&プランナーの皆さんにリードいただき、以下の3点に取り組みました。

①「桃太郎」のお話を聞き、自分の中の“決め付け”を見つける
そもそも「なぜ男の人が芝刈りに行くの?」「鬼は本当に悪者なの?」など、桃太郎のお話に自分が決めつけていることがないか考えました。

②身近にある“決めつけ”を「付箋」に書きまくる
「男の子は強くないといけない」「眼鏡をかけている人は頭がいい」など、自分の身の回りにある“決めつけ”を書き出しました。目標は100個です。

③“決めつけ”をを一つ選び、それがなくなった社会を「絵本」で描く
グループを組み、絵本で「決めつけがある世界 → 決めつけをひっくり返すストーリー → 決めつけがなくなった世界」を描いて発表しました。

自分でも気づかない“決めつけ”を知り、考え方を根本から変える素晴らしいワークショップです。詳細の内容は、ぜひ以下の記事からご覧ください!

▼記事はこちら:
「桃太郎」で考えるダイバーシティ。多様性を知るための考え方とは?―Beyondカンファレンス2024レポート
https://drive.media/posts/38847
 


 
2. 【ワークショップ】子どもと大人がごちゃ混ぜで教育をよりよくする新しいサービスを作ろう!

子ども、学生、会社員、起業家、行政、教員の方…。Beyondカンファレンスには、本当に多様なバックグラウンドの方々が参加していました。

バラバラの方々が一つのテーブルに集まり、一つのテーマについて話し合うと、一体どんなアイディアが生まれるのでしょうか?

その面白い実験に取り組んだのが、このワークショップです。「教育をよりよくするサービスをつくろう!」をテーマに、河野翔一(私立通信制高校教諭)さんと吉川佳佑(株式会社ガイアックス)さんが盛り上げ役を務め、以下のプロセスで共創に取り組みました。

1. ごちゃ混ぜのグループづくりと「共通点探しゲーム」
職業や年齢がバラバラのグループを組成。付箋に自分のキーワードを書き出し、お互いにテンションの上がる共通点を探して盛り上がりました。

2. それぞれの「技術・価値・体験」を付箋に書き出しディスカッション
自分にできること、大切にしていること、やってきたことを模造紙に貼ることで、多様な個性が可視化されてアイディアが生まれやすくなります。

3. 「教育を良くするサービス」のアイディアを発表
子どもも大人も対等な関係で発表します。このグループでは「個々の特性に最適化した、一生学び続けるサービス」というアイディアが生まれました。

「イノベーションは、実はバカげた発想から生まれたりするものです。ビビらず発言していきましょう!」という声がけもあり、自由な空気で話し合いは進みました。共創のプロセスはぜひ以下の記事をご参照ください。

▼記事はこちら:
世代や職種の垣根を越えたごちゃまぜチームで考える、教育をより良くするアイデア―Beyondカンファレンス2024レポート(3)
https://drive.media/posts/38808
 


 
3. 【企業の取り組み事例】「赤字事業はやらない」は正しいのか?企業が社会課題解決に関わる新しい方法を考える

社会課題に挑戦したくても、「赤字事業はやってはいけない」という会社の判断であきらめた経験はありますか?

2024年4月にソニーグループが設立した一般社団法人Arc & Beyondは、そうした問題に対して新しい方法を提案する事業創出プラットフォームです。

当日は代表理事を務める石川洋人さんと業務執行理事の萩原丈博さんが登壇し、アメリカの社会課題解決に挑んだ経験を中心にお話しいただきました。


▲サンフランシスコ東部の現象を説明する石川さんと萩原さん

アメリカ西海岸の『Takeoff Point LLC.(ソニーの100%子会社)』の社長として、プログラミングツール『MESH』を展開していた石川さん。

その中で「ディスコネクテッド・ユース(=学校に通えず、職にも就けない子どもたち)」というアメリカの社会課題に直面しました。

そこで事業の目的自体を「利益の創出」から「ディスコネックテッド・ユースを減らすこと」に変更。現地の児童館や少年院から依頼が増えて、アメリカに『MESH』の活動が広がっていきました。

その他の事業『Oppro』も開始し、日本の少年院などでも活動を展開しましたが、赤字を理由に事業撤退を命じられてしまったのです。

「世の中で解決されない社会課題のほとんどは、儲からないからどの企業も参入しない。それでも、誰かがやらなければいけないことは確かです。」と石川さんは話します。

こうした問題を解決すべく設立された「Arc & Beyond」の取り組みは必見です。ぜひ以下の記事で詳細をご覧ください。

▼記事はこちら:
利益と社会貢献を両立するには? ソニーグループから生まれた「Arc & Beyond」の挑戦―Beyondカンファレンス2024レポート(1)
https://drive.media/posts/38671
 


 
4.【企業の取り組み事例】次の100年のためにどうイノベーションを進められるか~100年企業が挑む、新たな一歩への挑戦公開作戦会議

「企業との共創で社内にイノベーションを起こしたい」という方に、ぜひご覧いただきたい事例があります。

創業114年、佐賀県で60店舗ほどの薬局を運営する「株式会社ミズ」。

4代目代表取締役の溝上泰興さんは、薬屋でありながら「薬が売れないまち」つまり「人々が健康になるようなまち」を目指しています。

そのためには「社内にチャレンジがしやすい環境をつくること」「他企業や地域と連携してイノベーションを生み出すこと」が必要と考え、aBCで共創を始めました。


▲きっかけとなった『第2回Beyondカンファレンス2023』での宣言

共創パートナーであるロート製薬の戸崎 亘さん、神奈川県大磯町で住民参加型の大規模イベントを主催するCo.Labの原 大祐さんとともに「100年先の地域のウェルビーイングをつくるには?」というテーマで行ったトークセッションの内容が、以下の記事で紹介されています。

共創のきっかけや、具体的な取り組みについてもご注目ください!

▼記事はこちら:
「薬が売れないまち」を目指して。100年先の地域のウェルビーイングをつくる創業114年の薬屋の挑戦―Beyondカンファレンス2024レポート(2)
https://drive.media/posts/38779
 


 
5. 【企業の取り組み事例】地域の関係人口を増やすには?時間や場所にとらわれない「フレキシブルワーク」が持つ可能性

もはや人口減少は避けられない中、どうしたら地域に人を増やしていくことができるでしょうか?

その問いに対し「フレキシブルワーク」という切り口で挑戦している方々がいます。重原圭さん(日本経済新聞社)、川元一峰さん(東急)、石井宏司さん(パーソルキャリア)、田中祐樹さん(トレジャーフット)です。

まず、全国のワークスペースを予約なしで利用できる『NIKKEI OFFICE PASS』、東急のホテルサブスク事業『TsugiTsugi』をはじめ、時間や場所にとらわれない働き方を推進する各社の取り組みを紹介いただきました。

その上で、地域の関係人口を増やすポイントとして、地域を訪れるきっかけづくりや、地域に“粘着”できる仕組みについて話し合いました。

新しい働き方や、地域の課題解決に興味がある方は、4社による貴重なディスカッションの様子をぜひご覧ください。

▼記事はこちら:
地域の関係人口を増やすには?時間や場所にとらわれない「フレキシブルワーク」が持つ可能性(前編)―Beyondカンファレンス2024レポート(7)
https://drive.media/posts/38904

地域の関係人口を増やすには?時間や場所にとらわれない「フレキシブルワーク」が持つ可能性(後編)―Beyondカンファレンス2024レポート(8)
https://drive.media/posts/38907
 


 
6.【社会課題を考える】生物多様性をめぐる現在地と展望

「ネイチャーポジティブ」という言葉をご存知でしょうか?

2030年までに危機状態にある生物多様性の減少を止め、そこから好転・回復させようとする目標のことです。

気候変動と生物多様性は「双子の環境問題」とされていて、両者は密接に関連しながら社会や経済に大きな影響を与えているのです。

このセッションでは、WWFジャパンの内藤由理さん、東京大学の森 章さん、エーゼログループの松崎光弘さんが登壇し、生物多様性の危機とその改善に向けた取り組みについて議論しました。


▲参加者同士でもディスカッションを行いました

経済活動と環境負荷がトレードオフになりがちですが、我々はマイナスを減らすことだけではなく、プラスをつくるという双方からアウトカムを生み出すことを、個々の事業体や自治体でも達成していかなければいけません。

▼記事はこちら:
2030年までに達成したい「ネイチャーポジティブ」とは?生物多様性・気候変動の危機を乗り越えるために―Beyondカンファレンス2024レポート(9)
https://drive.media/posts/39124
 


 
7. 【社会課題を考える】能登から日本社会の在り方を問う/能登の復旧・復興をともに考える

能登半島地震以来、輪島市や七尾市、珠洲市、金沢市で復旧・復興活動を牽引してきたリーダーたちが、各地域の現状や今後について語りました。

登壇者は、能登復興ネットワーク事務局長の森山奈美さん、震災翌日より東北から能登に入って支援活動を続けている高橋博之さん、さらに能登で生物多様性の研究を行ってきた西廣淳さんの3名です。

能登そして日本の未来にとって、今本当に必要なものは何か。3名のお話が、能登の現状と今後を考えるヒントとなるはずです。

▼記事はこちら:
「能登から日本の未来をつくるために」能登半島復興セッションレポート(前編)―Beyondカンファレンス2024レポート(5)
https://drive.media/posts/38890

会議の後半では、能登で活動を推進する団体から計8人が、どんな現実と向き合いながら、どんな活動に取り組んでいるのかを発表しました。

輪島市・珠洲市・能登町・七尾市・金沢市で活動するリーダーたちの目線から、能登の関係人口をつくる作戦について話し合った様子は、こちらの記事をご参照ください。

▼記事はこちら:
「能登から関係人口をどうつくる?」作戦会議―能登半島復興セッションレポート(後編)―Beyondカンファレンス2024レポート(6)
https://drive.media/posts/38892
 


 

3. おわりに

 
『Beyondカンファレンス2024』の現場で行われていた議論や共創について、WEBメディアDRIVEの記事を通じてご紹介しました。いかに一つ一つのセッションが充実した内容であったのか皆様にお伝えすることができれば幸いです。

現在aBCでは『Beyondカンファレンス2025』の開催に向けて準備を始動しています。参加者としてはもちろん、多様な関わり方がありますので、ぜひ今後の募集情報にご注目いただければと思います。

「意志ある挑戦の溢れる社会を創る」。Beyondカンファレンスの機会を通じて、志をともにする皆様とお会いできる日を楽しみにしています。

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